搬送状況に合わせたラインナップで、チェーンを長寿命化
環境保全意識の高まり、そして近年の電力不足を背景に、工場から排出される廃棄物などを燃焼し、発電する「バイオマス発電プラント」が増加しています。このたび当社は、耐摩耗性・耐食性に優れた「バイオマス発電設備用チェーン」を商品ラインナップ化しました。
搬送状況に合わせたラインナップで、チェーンを長寿命化
バイオマスとは、再利用できる環境対応の有機性資源のこと。木材チップや生木、廃タイヤ、石灰などのバイオマス原料をボイラで燃焼するバイオマス発電では、原料受入・供給とボイラから排出される灰の搬送にコンベヤが用いられます。当社は、その搬送に求められる性能を備え、最適化した「バイオマス発電設備用チェーン」を開発し、発電プラントを運営する製紙メーカーやセメントメーカー、独立系発電事業者への提供を開始しました。
本商品シリーズでは、搬送方式で2区分し、それぞれ搬送物(バイオマス・灰)の状態が乾いているか、湿っているかに合わせて2種類、合計4タイプのチェーンを取りそろえました。これらを適切に選択することにより、チェーンの長寿命化を図ります。
乾燥した搬送物用のチェーンは、耐摩耗性を重視し、素材に特殊な熱処理を加えてチェーンの硬度を向上。湿った搬送物用のチェーンは、腐食やサビに強い素材を採用し、耐摩耗性と同時に耐食性を高めました。また、両タイプとも、チェーンの隙間に搬送物が堆積しないよう、設計上の工夫を施しています。
商品開発にあたり、当社はお客様のご協力を得て、チェーンの摩耗状況などの実地データを収集。稼働中の発電プラントでの調査実施は困難を伴いましたが、約1年間の開発期間を経て、従来品と比較して約2倍の寿命を持つ商品が完成しました。